【カテゴリ】こどものお話し
こんにちは、学園前アップルデンタルクリニックです。
今日は、幼少期からの食育と歯科の続きです。
パート1,2を是非ご覧下さいね☆
3. 幼児期(就学前)
1)
離乳完了の目安は、いろいろな条件が関係しますが、噛む機能の発達からは、繊維質や弾力ある食べ物を噛むために、顎(あご)を横に動かしてすりつぶす運動がみられる時期で、一般には乳歯の奥歯が生えてかみ合う1歳6ヵ月ごろが適当です。ただし、歯の生え方には個人差があり、また他の条件も考慮して決まってくることになります。
2)
すべての乳歯が生えてかみ合う3歳頃は、いろいろな食べ物をしっかり噛んで、上手にのみ込むことが出来るようになります。そこで、ひとくち量をかじりとることや、よく噛むことを自然に引き出すような食べ物の大きさ、かたさ、歯ざわりが体験出来るような食事を考えましょう。
3)
3才頃から、「日本的伝統食」の食べ方である箸の正しい使い方、お椀類での食べ方などを教えましょう。
4)
幼児期に食べ物の食べ方、例えば「早食い」、「丸のみ」など、また食事の仕方などは、生涯の食習慣に影響します。また、子どもの肥満など心と体の健康にも関係しますので、朝食など食事は、噛みごたえする食べ物を準備し、しっかり噛んでいるかどうか、大人は子どもの食べ方を観察して、必要であれば注意しましょう。
5)
食べ物を食べているとき、お茶や汁物など液状のものを飲むことに注意します。食べ物が口の中にある間は、これらを飲むと流し込むことになりますので控えるようにしましょう。また食べ物を噛んでいるときには口もとをしっかり閉じるようにします。
6)
食事を急がないようにして、家族、友達などみんなと一緒に楽しく食べ、周囲の大人がよく噛んで食べる姿、食べ方を見せましょう。
7)
間食は規則的にして、食事に影響しないような食べ方とします。夜食や寝る前の飲食は習慣になりやすく、肥満などの原因にもなります。また、砂糖を多く含む飲料類を飲むのはむし歯を発生・進行させたりしますので控えるようにし、砂糖が多く含まれるスポーツドリンクを水がわりに飲むことは注意しましょう。
8)
生涯を通じた口腔ケアの確立のためにも、歯みがきの習慣をつけ、かかりつけ歯科医師を持つことにより、生涯を通じた歯と口腔の健康づくりを習慣づけまた獲得していきましょう。
4. 学齢期(小学生・中学生)
1)
この時期は、乳歯が徐々に永久歯に交換して、永久歯列が形成されます。将来の口腔の形態と機能が完成していくこともあり、食育の基本となる歯と口の役割と噛むことの大切さをさらに学習する時期でもあります。
2)
低学年頃に上下の第一大臼歯が生えてかみ合うと、食べ物を噛む力やすりつぶす能力が高まりますので、この時期にかたさや弾力のある噛みごたえのある食べ物を噛むことを経験します。また前歯が生えそろう時期は、前歯で食べ物を噛み切りひとくち量を知るためにも、やや大きめに食べ物を切り準備します。
3)
前歯の乳歯が永久歯と生え替わる時期は、食べ物をこぼしやすく、また噛む能力も低下します。このようなときは口(くちびる)をしっかり閉じて噛んで(咀嚼)のみ込み(嚥下)ます。そして、食事時間をいつもよりゆったりと取ってあげます。このようなことは奥歯が生え替わる時期にも同様に配慮が必要です。
4)
料理に合った食器や食具を体験し、それらの正しい使い方を通して食べ方、食べる姿勢など食事マナーを身につける重要な時期です。家庭や学校給食ではこの点を配慮した環境づくりを周囲の大人が心がけましょう。
5)
この時期、友人や家族との外食やコンビニ食などを食べる機会が多くなり、味覚などが均一化してきます。幅広い味覚を好み体験することは、とくに地域の伝統食・物産を、豊かにおいしく食べるために大切です。甘味、塩味は乳幼児から大勢に好まれる味ですが、苦味、辛味、渋味などの味は嫌われるなど人による好みに差が生じます。この時期にさまざまな食べ物の料理を通して、よく噛んで唾液を出し、これらの味を味わっておくことは、その後、砂糖など甘味嗜好に偏らない食生活を送るために重要なことです。
6)
生活習慣が乱れがちになる時期です。食事が不規則あるいは少食・欠食になりがちで、間食や夜食で食べる割合が高くなり、全体に軟食傾向になります。そこで、間食・夜食・飲み物類などの飲食類は控えめにして、主食をしっかり食べてよく噛むことは、この時期の歯周病や永久歯のむし歯を発生し進行することを予防します。またこの時期は運動不足も加わって、肥満が増え動脈硬化を伴うメタボリックシンドローム予備群がみられる時期でもあり、この点からも規則的な食生活に努め、砂糖を多く含む間食・飲料類や夜食を出来るだけ控えることが大切です。
次回で、このシリーズは完結となります(^^)
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